#4 筋トレ初心者の場合、セット間のインターバルにストレッチをすることで筋肥大が促進される可能性がある

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スポーツやトレーニングのパフォーマンスを上げるためにどうすべきか、今よりも高いレベルに行くにはどうすべきか。本シリーズではスポーツやトレーニングにおいて、理解を深めパフォーマンスの向上に貢献するであろう海外研究をかみ砕いて紹介していく。


筋トレを始めて間もない時期、トレーニングのセット間をどう過ごすかでその後の成果を変えることができるかもしれない。

初心者がセット間にストレッチをすることでどのような変化があったかを追った研究※1 がある。
トレーニング経験のない成人を2つのグループに分け、片方のグループは90秒のセット間に何もせず、もう片方グループは90秒のセット間に30秒間、最大可動域での静的ストレッチを行った。

トレーニングは両グループともベンチプレス、トライセプスエクステンション、シーテッドロー、バイセップスカール、レッグエクステンション、レッグカールなど全身を網羅する種目を8~12RMの強度で4セットに設定し、連続しない日に週に2回、二ヶ月間実施した。

二ヶ月後、どちらのグループも各部位筋肉の厚みが増加したが、セット間にストレッチを行ったグループの方が上腕部(上腕二頭筋、上腕三頭筋)および大腿部(大腿直筋、外側広筋)の厚みが大きく増加した結果となった。     

まとめ

今回の研究からは、トレーニングの初期段階(二ヶ月)においてセット間にストレッチを行うことで筋肥大にプラスの影響を与えることが分かった。

しかし一方で、今回の研究は効率的に筋肥大をするためにセット間にストレッチを行うことが万人にあてはまる有効な手段であると結論づけるには十分ではなく、トレーニングが二ヶ月以上継続された場合やすでにトレーニングが習慣化されている者に対しての影響や効果を明確に把握するためにはさらなる研究が必要であるとしている。それでも少なからず、セット間にスマホを見て集中力を欠いてしまうよりはよほど良いだろう。

※1 Interset Stretching vs. Traditional Strength Training: Effects on Muscle Strength and Size in Untrained Individuals
PMID: 30688865 DOI: 10.1519/JSC.0000000000003036
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30688865/