ショルダープレス編
フォーム
バーベルを鎖骨の前、あごの下ほどの位置から頭上へ押し上げるシンプルな種目です。肩の筋肉と合わせて、肘を伸ばすために二の腕に位置する筋肉である上腕三頭筋も同時に動員されます。
肩回りの可動域が広い方は首の後ろ側にバーベルを降ろす「ビハインドネック」というやり方もありますが少々リスクも伴うため、特筆した目的がなければ既出の画像のようなフォームを基本として行うことを推奨いたします。
なお、本件では立位で行うスタンディングショルダープレスを例にとり紹介していますが、座って行う場合やダンベルで行う場合などのバリエーションが存在します。
いずれの場合もフォームにおける要点は共通ですので、応用が効かせられるようにまずは基本を押さえてしまいましょう。
周りの人や器具に注意
スタンディングプレス よろけてあぶない例
バーベルを用いてもダンベルを用いても、スタンディングショルダープレスは全てのトレーニングにおいて最も重心が高くなる種目です。
重りが頭上を越える種目はコントロールが非常に難しく、ふらつかず確実にコントロールできる重量を確認して取り組まなければ自分だけでなく他の人も怪我を負うことになりかねません。
周りに人がいなかったとしても、近くに段差や器具がある場合には大きな怪我につながる可能性もありますので、周辺の環境を念入りに整えてからの実施をお勧めします
重りが頭上を越える種目はコントロールが非常に難しく、ふらつかず確実にコントロールできる重量を確認して取り組まなければ自分だけでなく他の人も怪我を負うことになりかねません。
周りに人がいなかったとしても、近くに段差や器具がある場合には大きな怪我につながる可能性もありますので、周辺の環境を念入りに整えてからの実施をお勧めします
常にバーの下に肘が位置すること
バーの下に肘 良い例
バーの下に肘 悪い例
バーを最も効率的に支えるには、動作全体を通して常にバーの真下に肘が位置していることが大事です。
しっかりと肘の上に適切にバーが乗っていればバーと肘を結ぶ前腕が常に垂直になるので、前腕の向きもフォームを作る上でのポイントになります。
腰や上半身が反らないこと
上半身や腰が反っているフォームでは垂直方向に力が出しにくくなるだけでなく、過度に湾曲したストレスがかかることで腰回りの怪我につながりやすくなるためできるだけ改善を進めていきましょう。上体反っている 悪い例
上体全体が反ってしまう場合は腹筋側の収縮による体幹部の安定(腹圧)不足や肩甲骨や肩周りの柔軟性が足りずに可動域が狭くなっている事の代償に起因することが多く、垂直方向にかかる負荷を体全体で効率よく支えて力を発揮できるフォームを作るためには肩回りの柔軟性や可動域の向上と並行して行っていく必要があります。
軽い重量だと多少上体が反ったフォームでもできてしまいますが、体幹部への適切な負荷がかかりにくく先々で一定重量から伸びにくくなることや腰へのストレス等を考えると、遠回りに思えてもやはり焦らず安全かつ効果的なフォームの習得を推奨いたします。
軽い重量だと多少上体が反ったフォームでもできてしまいますが、体幹部への適切な負荷がかかりにくく先々で一定重量から伸びにくくなることや腰へのストレス等を考えると、遠回りに思えてもやはり焦らず安全かつ効果的なフォームの習得を推奨いたします。
腰椎反っている 悪い例
上体も反っておらず一見すると問題がないように思えるフォームですが、腰椎の反りが起きてしまっています。
肩甲骨周りではなく股関節周りの筋のバランスにより骨盤が前に傾き、腰椎が反りやすい状態であったり、腹圧が抜けている場合などに起因することが多く見られます。
また、腰が反ってしまうことで腹圧が入れにくくなるという悪循環も起こり、結果として腰に大きなストレスがかかってしまいます。
肩甲骨周りではなく股関節周りの筋のバランスにより骨盤が前に傾き、腰椎が反りやすい状態であったり、腹圧が抜けている場合などに起因することが多く見られます。
また、腰が反ってしまうことで腹圧が入れにくくなるという悪循環も起こり、結果として腰に大きなストレスがかかってしまいます。
ショルダープレス
上体が反っている場合と腰椎が反っている場合、どちらの場合においても垂直方向にかかる負荷を湾曲したもので支えようとすることは大変非効率です。
安全に効率よく力を伝えるための基本的な理論やフォームを身に着けておく事は他のトレーニングへの応用も効くため大変貴重な財産となります。
ダンベルで行う場合
バーベルの代わりにダンベルを用いる種目「ダンベルショルダープレス」は本種目との共通項が多く、フォームにおける要点は上記と同様です。しかし座位でも立位でも、床から持ち上げる場合には腰が丸くなりやすく注意が必要です。そこで安全かつ効率よくダンベルを持ち上げる動作「オンザニー」をご紹介します。
オンザニー持ち上げ 良い例
オンザニー片手 良い例
両手で同時に膝へ置く方法や、重量が上がってきた場合には片手ずつ膝へ置く場合があります。
オンザニー持ち上げ 悪い例
オンザニー戻すとき 悪い例
適切に持ち上げたときのフォームの逆の動作をするように、疲れていてもダンベルを床に戻すまでは徹底的に安全に気を使うことを強く推奨します。
「特定の動作と回数を終えるまで」がトレーニングではなく、「持ち上げてから床に戻すまで」がトレーニングです。
まとめ
バーベルやダンベルを持ち上げる動作で行う肩のトレーニングだとしても、力の伝達効率や安全性、先々の発展性などを考えていくと肩回りだけでなく背骨や腰、股関節までもチェックしていく必要があります。
単純そうに思える動作でも掘り下げていくと、全身のどこか一か所の要因が全体に影響してしまう非常に奥深いものになります。
盲目的に何となく惰性でトレーニングを行うのではなく、日々毎回の発見を大切にして常に試行錯誤を続けて頂ければと思います。
”ショルダープレス”の重要性を描いた簡易物語がございます。
こちら↓↓↓をご覧ください。
タイトル「電車」