スクワットを安全かつ効果的に行うための
ポイントとバリエーション
実施者の体力や状況に合わせて自体重で行うことも、重りを持って負荷を増やすこともできる王道の種目です。基本となる自体重での動きを習得すれば、体が負荷に適応して負荷を増やす際にもすぐに応用が効きます。
しゃがんで立つというシンプルな動作の中にも、効率よく安全に行っていくためのポイントや注意点がありますのでそれらをまとめてご紹介していきます。
基本的なフォームと注意点
正面
ななめ
脚は肩幅より少し開き、つま先は軽く外側に向けて立ち、そこから股関節を引くようにしてしゃがんでいきます。この時、腰が丸くなると怪我のリスクが高くなってしまうため、腰が丸まらないように保つことができる範囲でゆっくりと動作を行いましょう。
背骨は極端に丸まりすぎても、反りすぎても非効率な動きとなってしまいます。
最初から背中や腰をまっすぐに保てず丸くなってしまう場合、もしくはその逆に反りすぎてしまう場合には、しゃがむ前に姿勢の確認から入り、鏡でフォームを見ながらイメージと実際の動きの整合性を高めることをおススメします。腹筋に力を入れることで腹圧を高めた状態で自然に動作ができるようになると理想的です。
また、体と地面をつなぐ唯一の接点となる足底部も非常に重要です。
上下の動作を通じて踵やつま先に極端に重心が偏らず、土踏まずを除く足の裏全体が地面に接地していることがポイントです。
土踏まずが下がった偏平足の状態では、非効率的で膝周辺のストレスの高い動きとなることがあるため、足元の状態も全体に動きに大きな影響を与えます。
NGフォームと注意点
スクワットにおいて起きやすい代表的なエラーとなる動作と注意点を三点紹介致します。これらの注意点は自重のスクワットだけでなく、片足で行う場合や重りを持った時も同様となりますのでしっかりとポイントを抑えておきましょう。いずれも鏡でフォームを見て主観と客観をすり合わせながら練習していくことをおススメ致します。
①背部や腰部の丸まり
先述の通り、背部や腰部が丸くなってしまうフォームは非常に起きやすいエラーです。スクワットは全身運動ですので、下半身だけでなく上半身にも気を留める必要があります。まずは腰背部をまっすぐに保つ姿勢を作ることが大切です。
②膝割れ
膝割れと呼ばれる、動作を切り返すときに膝が揺れてつま先と膝が異なる方向を向いてしまうことも推奨されません。
膝はドアの蝶番(ちょうつがい)のように特定の方向にのみ動くため、荷重がかかるタイミングで揺れてしまうことで膝関節が対応できない捻じれの方向にストレスがかかってしまいます。
しゃがんで切り返すタイミングは動作内で最も負荷が強くかかるポイントですが、しっかりとコントロールして膝が揺れないように抑えましょう。
膝はドアの蝶番(ちょうつがい)のように特定の方向にのみ動くため、荷重がかかるタイミングで揺れてしまうことで膝関節が対応できない捻じれの方向にストレスがかかってしまいます。
しゃがんで切り返すタイミングは動作内で最も負荷が強くかかるポイントですが、しっかりとコントロールして膝が揺れないように抑えましょう。
③往復で膝と股関節の角度が極端に異なる
往復NG
上下動の往復動作でフォームが極端に異なることも注意が必要です。
往復OK
少し難しく感じられますが、効率的な動作のためには股関節と膝関節の角度が同じ比率で狭くなり、同じ比率で広くなることが理想です。
多少フォームが荒かったり重心が動揺しても自体重のスクワットを行うことはできてしまいますが、先々発展させてバリエーションを増やしたり重りを持つことを踏まえると初期の段階で修正をしておくことをおススメします。
多少フォームが荒かったり重心が動揺しても自体重のスクワットを行うことはできてしまいますが、先々発展させてバリエーションを増やしたり重りを持つことを踏まえると初期の段階で修正をしておくことをおススメします。
バリエーション
通常のスクワットに加えて、三種類のバリエーションを紹介致します。それぞれの種目の特性をしっかりと把握した上で目的に合わせて取り入れていきましょう。
①ナロースタンススクワット
ナロースタンススクワットは肩幅や骨盤の幅と同じくらいの狭い足幅で行うスクワットです。通常のスクワットに比べて上半身が起き、膝が出るため腿前に刺激が入りやすい種目ですが、足首周りの固い方にとっては少々やりにくい種目でもあります。
②ワイドスタンススクワット
ワイドスタンススクワットは肩幅よりもさらに広い足幅で行うスクワットで、通常のスクワットに比べて上半身が前傾して内腿に刺激が入りやすい種目です。ナロースタンスのスクワットに比べるとしゃがみやすく、足首周りが固くても行いやすい種目ですが、膝が内側に入らずつま先と同じ方向を向くように注意が必要です。
③ダンベルスクワット
最後に、ダンベルスクワット。
自体重でのトレーニングに慣れて負荷を増やしたいがバーベルがなかったり、いきなりバーベルを背負うことが身体的や心理的に抵抗があったりなど、自体重より少しだけ負荷を増して行いたい場合に最適です。ダンベルの代わりにペットボトル等身の回りのもので代用することも可能です。
負荷を増やした上で足幅の異なる種目を取り入れることでさらに多くの組み合わせが可能になります。
自体重でのトレーニングに慣れて負荷を増やしたいがバーベルがなかったり、いきなりバーベルを背負うことが身体的や心理的に抵抗があったりなど、自体重より少しだけ負荷を増して行いたい場合に最適です。ダンベルの代わりにペットボトル等身の回りのもので代用することも可能です。
負荷を増やした上で足幅の異なる種目を取り入れることでさらに多くの組み合わせが可能になります。