#スポーツを止めるな2020
女子ソフトボール部編
活動再開したチームの今後、活動自粛期間を経たチームの現状について長澤監督に伺いました。
長澤 淑恵 監督『チームのカラーが見えてきた。全日本インカレでは優勝を』
Q.自粛期間のことについて
A.4月、自粛が決まった時はみんな泣いていた。最初は寮外に選手を出すと危険ではないかという考えから、全員寮での生活をするという選択をとった。しかしクラスター発生のことも考え、寮で生活する人数を減らし、多くの選手を実家に帰省させることにした。苦渋の決断だった。
寮に残った選手たちに関しては、ある程度練習の幅を利かせることができたので、モチベーションを保つことができていた。一方で、実家に帰省した選手に関しては否が応でも練習を自制する必要があり、トレーニングの組み立てやモチベーションの維持が難しかったと思う。
Q.自粛期間中の取り組みと現在の状況について
A.寮に残った選手と実家に帰省した選手のモチベーションの差を補うため、毎日ウェブで顔を合わせ、その日やることを一人ひとり述べてもらい、管理していくことで一体感を維持することができた。
帰省していた選手たちはランニングや、壁当てのキャッチボールくらいしかできず、自宅が近い選手たちは2、3人で周囲に配慮しながら練習を行っていた。
課外活動が再開した6月上旬は、公式試合が軒並み中止となったが、やる気にあふれている選手の姿を見て、「やっとできるぞ」という皆の心の叫びを聞いた気がして嬉しく思った。体力的な積み上げもゼロにならず、自粛による悲壮感は全く無かった。無くなったインカレの代替大会の開催が決まり、インカレに向かう気持ちと同様の上向きな雰囲気を4年生が作ってくれた。
Q.今シーズンの試合予定が崩れているが、今後の展望について
A.全日本インカレはなくなったが、11月に代替試合が開催されることになった(全国選抜女子ソフトボール大会)。本来の全日本インカレは32チームが出場し開催されるが、今回は16チームに縮小しての開催となる。目標はズバリ優勝。(9月中旬に行われた関東予選は突破し全国大会出場権を獲得した)
リーグ戦も軒並み中止だが、今後、主催を変えての代替試合が開催される見込み。10月には関東インカレも形を変えて開催される。なるべく試合が減らないよう尽力してくれている。4年生は本来9月で引退だが、今回のコロナの影響で後ろ倒しになっている。秋季リーグも例年なら4年生抜きで新チームとして挑むが、今年は4年生を出場させる予定。
Q.例年と比べてチームの仕上がりはどうか?
A.多少ケガをしている選手の心配がある。試合数が少ないため判断が難しいが、ほかのチームも同じ条件で活動しているので、言い訳はできない。
また、ソフトボールは力の差がスコアに表れにくい競技であるため、ゲームセットまで何が起きるか分からない。そこがまた面白いところでもある。
また、どういう形で勝利のプロセスを作るのかといったチームのカラーが見えてきている。今年は試合数が少ないわりに自分たちの戦い方が分かってきており、悩まず戦うことができるので、手ごたえとしては悪くないと感じている。
今年度から城西大学の職員として赴任した、山北コーチ。
更なる飛躍のカギを握るキーパーソンに、指導方針や選手たちについて伺いました。
更なる飛躍のカギを握るキーパーソンに、指導方針や選手たちについて伺いました。
山北 萌香 コーチ『監督とみんなをつなぐパイプ』
Q.選手からコーチへ立場が変わったが、今のチームにとってどんな存在になりたいか?
A.立場が変わったという気持ちをあまり持たないように意識している。一緒にプレーしてきた選手が多い。長澤監督のような「指導者」ではなく、選手の輪に直接入り、みんなのために、できることをすることが自分の役割だと考えている。選手と一緒に寮に住んでいるので、みんなのそばに常に寄り添う存在でいたい。身体的な部分だけでなく、精神的な面でもサポートしたい。選手と一緒に生活している分、小さな変化に気づき、選手と監督をつなぐパイプとなっていきたい。
Q.チームを強くするためには
A.いまのレギュラーは去年のメンバーとほとんど変わっていない。さらにチームを強くするには選手層の厚さが鍵を握ると考えている。さらなるレベルアップのため、いかに底上げできるかが課題である。
Q.今後の展望について
A.全日本インカレで優勝することは毎年の目標。私たちは高校時に全国で活躍している選手が少ないからこそ挑戦者という立場でプレーし、大学から実力が伸びる選手が多い。これは城西らしさであると思う。長澤監督は、チームの色が見え始めたと言っている。この色が完全に見えたとき、チームは完成し、きっと日本一という目標に到達するのだと考える。
主将としてチームをけん引する古井主将にチームの現状と抱負を伺いました。
古井 萌乃 主将(4年)『主将力が重要』
Q.課外活動再開時のチームの雰囲気について
A.自粛期間中はそれぞれ各自でしっかりトレーニングできており、緊急事態宣言明けも全員モチベーションを高く保てていた。
当時は大会の有無が決まっていなかったが、「大会実施を信じてやっていこう」と、モチベーションが落ちず全員が一つになってできていたと思う。
Q.再開から今の状況について
A.全国大会はなくなってしまったが、その代替大会として16チームだけ出場できる全国大会が実施されることになった。例年より少ないチーム数で行われるため、予選通過の枠も少なくなったが、もとより全国優勝を掲げていたので、むしろ通過条件が厳しくなったことでチームに更に火が付いた。(現在、予選は通過して全国大会出場決定済)
Q.自粛期間中に取り組んでいたことについて
A.個人の練習ではどうしてもダラダラしてしまうと考え、グラウンドの中での移動では必ず走るようにしていた。大人数での練習はできなかったのでネットを活用したりして練習を行った。また、感染症予防対策として手洗いうがい等、当たり前のことを率先して徹底した。
チームとしては毎朝同じ時間にウェブミーティングを行い、今日の自分の行う練習を発表し、どのような練習をやるのか共有したり、選手間でウェブを通して一緒に体幹トレーニングをおこなったりと、寮に残る選手も、実家に戻った選手も同じように規則正しい生活とモチベーションを保つようにした。
Q.今後のチームとしての目標と取り組みについて
A.全国大会での優勝を目指している。このチームは打撃が強力なので、全国の優秀なピッチャーに対していかに対応していくかが重要だと思う。また、競った試合になったときのために、送りバントやサインプレー等の細部についてもっと強化してやっていく必要がある。
守備はバッテリーを中心に堅実な守りを目指している。特にスピード、送球の正確さを上げていきたい。
練習試合は消化してきているが、今後は更に公式戦を意識した取り組みが必要だと感じている。個人としては「主将力」が重要。立ち振る舞いや言動を意識していきたい。
エースとして最後の年にかける遠藤投手。自身の取り組みと目標を伺いました。
遠藤 光姫 投手(4年)『努力を人一倍やることが自分の強さ』
Q.自粛期間中の取り組みについて
A.チーム全体でやっていたのは、ウェブでの体幹トレーニング。みんなで画面をつないで、寮生も寮外の選手もお互いを見ながらトレーニングができた。
自主練習が多かったが、個人的に取り組んでいたのは坂ダッシュ。近所迷惑にならないよう、十分周囲に配慮しながらできる範囲で繰り返し取り組んでいた。課外活動再開後は、坂ダッシュの取り組みにより目に見えて走力がアップしたことを実感。自粛期間中に意識して取り組んでいたことが形に表れてよかった。
Q.今後の目標と取り組みについて
A.全国大会に出て日本一の投手になることと全国大会で防御率を0にすることが大きな目標。自身は他のピッチャーに比べ体格では劣る。それをカバーするには、プレーにおいても、それ以外においても、気持ちの強さが必要であり、これは自分の長所であるとも思っている。とても負けず嫌いで、誰よりも練習をしている自信がある。日々のちょっとしたランニングなどでも、一番になることにこだわっている。入学したときはエースと呼ばれるような選手ではなかったが、努力を人一倍することが自分の強さであると考える。
JOSAI SPORTS FIELDに新ソフトボール場が竣工。9月下旬より使用開始されました。
日々のトレーニング、対外試合を積み重ね、大学日本一へ!
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