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FOCUS ON

Photo_Kai Naito
Text_Fumihito Kouzu
Edit_Hideki Shibayama(HOUYHNHNM)

【FOCUS ON】教職免許の取得と体育会系部活動はどう両立する?

スポーツに力を注ぐ学生が多い城西大学。強豪の運動部であれば、練習量もかなりのものになりますが、中には部活と学業を両立し教育職員免許状(教員免許)の取得を目指す学生も。今年3月に卒業した中村茜さんと佐渡規央さんは、それぞれ女子ソフトボール部、男子陸上競技部に所属しながら、見事に教職免許を取得。部活と学業の両立のコツはどこにあるのか。教職免許取得を目指す現役の城西生が話を聞きました。
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支え合い、励まし合うポジティブなコミュニケーション

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プロフィール
(右)中村 茜(なかむら あかね)さん
理学部数学科卒業。女子ソフトボール部。4月から静岡県の私立高校の教員に。
(左)名久井 彩(なくい あや)さん
経営学部3年。女子ソフトボール部。教員志望。

名久井中村さんは女子ソフトボール部の先輩で、日頃からいろいろ話を聞かせて頂いていますが、改めて今日はよろしくお願いします。

中村よろしくね!

名久井城西大学の女子ソフトボール部は全国から学生が集まってきますけど、埼玉のそれほど強くない高校から来た私にとっては、最初は練習が大変で。しばらくは帰ったらすぐ寝てしまう生活でした。2年になってようやく慣れてきて、他の教員志望の子たちともよく話すようになって気持ちも強くなりました。それから帰宅後に少しずつでも勉強をする生活ができるようになったのですが、中村さんも部活との両立は大変でしたか?

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中村「教員になりたい! ソフトボールも頑張る!」っていう気持ちで入学したけど、教員免許を取得するために取らないといけないカリキュラムの多さに驚いたよ。もっと調べれば良かったって(笑)。ただ両親にも自分の道は自分で選びなさいと言われて、最終的には自分で選んだ道だから「決めたことは辛くても投げ出さない」っていう気持ちで何とか乗り越えられた。教職課程で部活を抜けることもあったけれど、部活も手を抜かずにベストを尽くせたから上手くやれたかなと思う。

名久井最後まで試合に出ていましたもんね! スーツ姿で出かける中村さんを何度も見ましたが、やはり4年の時は忙しかったですか?

中村正直、忙しかった(笑)。私は教員採用試験も受けたけど、試験が近づいてくる中でちょっと厳しいだろうなと感じていたから、一般企業の就職活動も始めたの。それで、部活がオフになる月曜日にスーツを着て就活に行ってた。教育実習は前期と後期があるけど、前期の方だとソフトボールのシーズンと被るから後期でお願いして、部活は8月末の最後の試合まで続けて、9月下旬から10月中旬は教育実習。母校に採用枠があるなら、母校も検討したいという意思表示をしていたら「実習のときに履歴書も持ってきてください」って言われて、実習のプレッシャーに採用のプレッシャーも重なっちゃって(笑)。実習の後、二次試験に行ってギリギリ年内に採用が決まった感じだったから、本当に隙間がない1年だったかな。

名久井忙しさはどうやって乗り越えたんですか?

中村運動部あるあるだけど、根性だね(笑)。自分が選んだ道だから逃げるわけにはいかないという謎の根性。

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名久井精神論(笑)。でもやっぱりガッツは大事ですよね。私は部活にしても勉強にしても集中力が大切だと思っていて。例えば部活だと授業のある平日は3時間ほどで内容の濃い練習をする必要がありますし、勉強も集中してやらないと意味がありません。ソフトボールをやっているからこそ、その集中力が養われているかなと思っているのですが、中村さんは部活を両立したことで何が身についたと思いますか?

中村一番は継続力かな。あとは改善力というか、壁にぶつかったときにどう乗り越えるか、自分の弱点をどう克服するかを自分で考えて取り組むこと。継続すること、自分で考えて取り組むことの大切さは自分の経験を踏まえて生徒たちに伝えることができるから、それは自分の財産だなって思ってるよ。架空の話ではなく、経験談であれば聞く側の心にもストンと入っていく気がするし。

名久井私は将来母校で教師をして、ソフトボールも教えたいなと思っているんですが、中村さんはどうですか?

中村顧問ではないけど、指導者としてソフトボール部に関わっていく予定。「数学嫌いを減らしたい」という目標があるから、数学だけ教えられたらいいかなと思っていたんだけど、教育実習中に部活動を手伝ったら、そっちもやりたくなって。部活は絶対大変だと思うけど、ポジティブに頑張ろうと思ってるよ。それも自分で選んだことだし。

名久井今でもよく覚えているんですけど、オープンキャンパスに来たとき、面接で柴沼先生に「教員になりたいんです」って伝えたら「絶対に僕が教員にさせますよ」と仰ってくれて。それが城西大学を選んだ大きな理由なんです。大学の先生ってそんなにコミュニケーションをしてくれるイメージはなかったので驚いたんですが、色々と助けてくれる優しい先生方が多いですよね。

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中村そうだね。教職課程センターの指導教員の方たちには本当に手厚くサポートしてもらったし、そこは思い出の場所。教職を目指している他教科の学生との交流もあって、支え合える仲間がいる場所だったなぁ。

名久井助けてくれる人がたくさんいますよね。女子ソフトボール部もコミュニケーションがとても活発ですし。

中村練習と同じかそれ以上にコミュニケーションを大事にしてるよね! 卒業後も連絡くれれば、サポートするから!

名久井最後に、中村さんはどんな教師になりたいですか?

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中村生徒が自分の意志を持って自分で決断できる大人になる手助けができたらなと思ってるよ。人の意見に流されるのではなくて、自分で考えて決めることの大切さを伝えていきたいなって。

本気で取り組めば、真摯に応えてくれるサポート体制

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プロフィール
(右)佐渡規央(さど きひろ)さん
経営学部卒業。陸上競技部。埼玉県教員採用試験に合格。
(左)賀澤佑希南(かざわ ゆきな)さん
経営学部3年。教員志望。

賀澤経営学部の賀澤です。「情報」の教員免許の取得を目指しています。今日はよろしくお願いします! 佐渡さんは経営学部の先輩ですが、陸上をやられていたんですよね?

佐渡そう、陸上競技部で専門は400m。4年のときは副主務をやっていたよ。大きな大会で走ることはできなかったけど、3年と4年のときの全日本インカレでは、マイルリレー(400m×4)のメンバー(6人)に選ばれたことも。加澤さんはどうして城西大に入学したの?

賀澤私は指定校推薦で城西大学に入学しました。地元の福島県に行きたい大学がなくて、関東で教員免許が取れることを条件にして、経営学部だったら幅広いことが学べそうだなと思ったのが選んだ理由です。

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佐渡僕はスポーツ推薦で入学したんだけど、高校生のときはまだ何になりたいかはっきりしていなくて。担任の先生に「先生に向いていると思うよ」と言われて、教員の仕事に興味を持ち始めたんだ。「絶対に学校の先生になるぞ!」という気持ちで入学したわけじゃないんだけど、教員免許は絶対に取ろうと決めていて。

賀澤陸上競技部の練習は忙しかったですか?
私は生活費を稼がないといけないのでアルバイトをしています。授業の後はバイトと家事で1日がすぐ終わってしまって、1年生の時は家に帰ってから勉強をする時間がまったくとれませんでした。佐渡さんはどうやって勉強の時間を確保していましたか?

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佐渡1日中走っていられる訳ではないから、陸上競技部の練習時間はそれほど長くなくて、野球部やソフトボール部、サッカー部の方がおそらく練習時間は長いんじゃないかな。ただ、やっぱり疲れて家に帰ったらバタンキューしてしまうこともあって。もちろん家事も大変。当たり前だけど、自分でやらないとご飯は出てこないし、洗濯物もたまるし(笑)。1年のときはコロナ禍での行動制限なんかもあって、なかなかモチベーションが上がらない日もよくあった。この時間は勉強をする、この時間は家事をするっていう風にある程度タイムスケジュールを決めておくといいのかなって思う。一人暮らしだと誰も「あれをやりないさい、これをやりなさい」とは言ってくれないから、自立が求められるよね。

賀澤部活と教職課程の両立は大変でしたか?

佐渡部活は大体3限目が終わったあたりの時間から始まるんだけど、教職課程をとっているとどうしても4限、5限までの日があるから、部活に遅れることも珍しくなかったよ。ただ、僕の場合は陸上競技部の同学年に数人、教職課程をとっている仲間がいたのは恵まれていたなと思っていて。陸上競技は1人でもできるけど、追い込むトレーニングは1人でやるのは難しいから、仲間の存在はすごく大切。部活との両立は正直大変だったけど、時間を無駄にすることなく充実した4年間を過ごすことができたし、「これだけやったぞ!」っていう自信にもなったかな!

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賀澤私は私立高校の教員を目指していることもあって、教員採用試験を受ける予定はなくて。夏休みにはインターンシップをしようかと思っています。佐渡さんが教員採用試験を受けることを決めたのはいつですか?

佐渡教員採用試験を受けることを決めたのは3年の夏。それまでは受けるかどうかは結構迷ってたよ。3年のときに2つの企業でインターンシップを経験したんだけど、その結果、教員になりたいという気持ちが一層強くなって。就職活動をせずに、教員採用試験の勉強に専念して現役合格できた時はやっぱり嬉しかったね。

賀澤インターンシップは良い経験になりましたか?

佐渡すごく良い経験になったよ。インターシップをしたことで教員を目指す覚悟ができたし、さまざまな学生と交流して、いろいろな考え方に触れられたのも良かった。衝撃を受けるぐらい優秀な子もいたりして(笑)、刺激がたくさんあったから、インターンシップはやってみて損はないと思う!

賀澤教員免許や教員採用試験を目指す中で、城西大学で良かったなと思ったところはありますか?

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佐渡教職課程センターの教員の方たち、事務の方たちのサポートの手厚さかな。教員採用試験の2次試験が夏休み期間だったんだけど、面接や小論文の対策をしたいと伝えたら、毎日のように付き合ってくれて。こっちが本気であれば、本気で応えてくれるのは本当にありがたかったな。

賀澤私は運動部ではありませんが、スポーツをやりながら教職を目指す人にとって、城西大学はどんな場所でしたか?

佐渡箱根で活躍する駅伝部のイメージが強いと思うけど、環境が整っているから、スポーツに本気で取り組みたいと思っている人にはすごくおすすめ。経営学部には「スポーツ指導実技系科目」や「スポーツマネジメント系科目」もあって、スポーツに関するさまざまなことが学べるし、繰り返しになるけど、教職に関してもサポートが厚くて、教職課程センターの教員の方たちは部活も応援してくれる。「先生になりたい、スポーツにも本気で取り組みたい」という人には、うってつけの環境だと思うよ。