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FOCUS ON

Photo__Sohei Kabe(interview), Kentaro Hisadomi(practice)
Text_Fumihito Kouzu
Edit_HIdeki Shibayma(HOUYHNHNM)

【FOCUS ON】 〜女子駅伝部編〜

選手やコーチ、監督。彼らのパフォーマンスを「食」から支える医療栄養学科の学生、そして部の活動を支えるサポーター…。城西大学のスポーツは、個ではなく、集団の力で強くなってきました。そんな我らが城西大が有する強豪チームにインタビューする本連載。なぜその競技に魅了されたのか? 今シーズンの特徴は? チームが目指すゴールとは? 彼ら彼女らの想いとともに、部の実情に迫ります。今回は、女子駅伝部の金子陽向主将と赤羽周平監督が登場。
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コミュニケーションを重要視するチーム

城西大学の女子駅伝部はどんなチームですか? チームの雰囲気を教えてください。

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金子陽向主将(以下、金子)今年は横の繋がり、縦の繋がりのどちらもあり、良い意味で先輩後輩の上下関係がなく、まとまりのあるチームです。1年生の人数が多いのですが、みな個性的で元気があり、それもチームの活気に繋がっている気がします。部員は13人と少数精鋭だからこそ、良い雰囲気で今年の駅伝シーズンを迎えられました。

赤羽周平監督(以下、赤羽)元々選手をスカウトするときに、コミュニケーションを極めて大事にするよ、というのは伝えてあって。週に6日間、朝と夕方に練習があるのですが、練習の後に毎回、選手一人ひとりに報告に来てもらって、私と話をしているんです。コミュニケーションを大切にしたいから、それが合わないなら別を選んだほうがいいって、伝えたよね(笑)?

金子はい(笑)。

赤羽マネージャーも最初からマネージャー職として勧誘しているんです。マネージャーは私やコーチとより密にコミュニケーションをとることになるので。

金子さんが城西大学を選んだ決め手は何だったのでしょうか?

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金子いくつかの大学からお話を頂いて、見学にも行きました。一番の決め手は監督とコーチの熱量が桁違いだったことですかね(笑)。日本一への思いや、そのためにどう取り組んでいるかを詳しく伝えてくださって。私の場合、コミュニケーションをしっかりとれる監督のもとで競技をやりたかったのも大きいです。

赤羽大争奪戦の末に城西大学を選んでくれたんです。私が声をかけた後、彼女はどんどん結果を出して、他の大学さんからも声がかかったようなんですが、ウチが最初だったよねって(笑)。

金子確かにお声がけいただいたのは一番早かったです(笑)。

寮生活はいかがですか?

金子最初は慣れない部分もあったんですけど、チームのみんなとずっと一緒にいられるのは楽しいですし、今では寮のことを“家”って呼ぶくらいになりました(笑)。すごく落ち着く場所ですね。

赤羽そういってもらえるのは嬉しいですね。小さな寮ではありますが、ウチはご飯が美味しいので。それも寮生活が好きになる要素のひとつなのかなと。

金子はい、ご飯は毎食すごく楽しみです!

専属の管理栄養士が一日三食をサポート。充実した練習環境

食事の話になりましたが、女子駅伝部は専属の管理栄養士がいらっしゃるんですよね?

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赤羽女子駅伝部のOGで、薬学部医療栄養学科を卒業した佐光菜々子が専属の管理栄養士としてチームをサポートしてくれています。食事量と栄養管理が重要な女性長距離選手のことをよく理解しているので、学生達にとって非常に心強い存在です。

金子朝晩の食事、お昼のお弁当を用意してくださるのですが、とても美味しいですし、食事面のサポートは城西大学がおそらく日本一なのではないでしょうか。選手もみんな食事を楽しみにしていて、明日はアレだよねとか、来週の献立見た?とか、そんな会話をよくしています(笑)。誕生日が近い選手のリクエストにも応えてくださるのですが、明日は私がリクエストしたなんです!!!

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金子主将がリクエストした天丼。

赤羽食事の写真を佐光から毎回送ってもらうのですが、私も食べたいくらい美味しそうで。選手たちも、誕生日のときは結構無茶なリクエストをしているんですよ(笑)。

金子大学を決めるときに、親は食事について結構気にしていて。管理栄養士さんがいて、三食提供してくれるというのを聞いて安心していました。

練習の環境も充実しているようですね。

赤羽大学内に6レーンの全天候型トラックがあり、「JOSAI SPORTS FIELD」には一周約1kmの人工芝でできたランニングコースがあります。人工芝のコースはクッション材が埋め込まれているので硬さはなく、アップダウンもあっていい鍛錬ができるんですよ。走れる河川敷、トレイルも近くにあるので、長距離を練習する環境としてはスゴくいいと思います。

金子走る場所はたくさんあって恵まれていますね。正直、人工芝のコースはめちゃくちゃきついんですけど(笑)、食事面も含めてとても環境が整っているので、言い訳ができないですし、頑張らなければいけないなと思います。

赤羽そう思ってくれる子は強くなります!

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金子さんが長距離を始めたきっかけを教えてください。

金子中学生のときに陸上部に入ったんですが、元々は短距離ブロックで、1年生の10月まではハードルをやっていました。

赤羽えっ!? ハードルは初めて聞いたんだけど(笑)。

金子50m走とかも速かったんですよ(笑)。市駅伝に出る選手を決めるときに、短距離ブロックも含めて陸上部全員で1000m走をしたんです。そのタイムが良くて、長距離の先生に「駅伝に出てくれないか」と言われたのが長距離を始めたきっかけです。当時はお手伝い感覚だったんですが、市駅伝の後に県駅伝も走らせていただいて。県で2番だったんですけど、全国大会に出れなくて…。それが悔しかったのと、駅伝が楽しかったのとで、長距離に移ったんです。

赤羽彼女のフォームは無駄がなく省エネで、エース区間と呼ばれる長い距離を走れるタイプ。なので、ハードルを跳んでいる姿が想像できないです(笑)。金子は今でもハードル跳べる?

金子無理です(笑)。「長距離も走れて、ハードルも跳べたら3000m障害で活躍できるぞ」って中学のときに先生に言われて、そのときは「何それかっこいい!」と思ったんですけど、騙されましたね。3000m障害のハードル、全然高さが違うじゃんって(笑)。

選手の自主性を重んじて、日本一のチームを目指す

これまでの質問の答えと被る部分もあるかと思いますが、城西大学女子駅伝チームの魅力を改めて教えてください。

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金子私自身が惹かれたのが食事や施設などの環境面と、コミュニケーションを重視した指導でした。熱量をもった監督とコーチのもと、4年間、全力で目標に向かって努力できる環境が整っているという点が、城西大学女子駅伝チームの魅力だと思います。

赤羽大学の規模は決して大きくないですし、学部もある程度限られています。たとえば「体育を学びたい」のであれば、やはり体育大学を目指した方がいい。そうした城西大学にはないものを理解してもらったうえで、長距離で自分がどこまでいけるのかチャレンジしたい、学生のトップを目指したい、そういった気持ちがある選手のことをしっかりサポートできる環境は整っていると思います。

選手の自主性を重んじているという話もうかがいました。

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赤羽私は実業団の選手を長く見てきましたが、自分で考えられる選手じゃないと、勝負に勝つことはできないという持論がありまして。大まかな指示は出して、自分たちで考えて、決めてもらうことが多々あります。たとえば練習についても、私が出したメニューに対して、プラスしてこういう練習をしたい、ここは休みたいというのを言ってもらい、意見を一致させて、練習に取り組んでもらっています。

今シーズンの目標は2大駅伝での5位入賞。その一つは達成できましたね

赤羽目標についても新チーム発足時に、主将を中心に学生たちが話し合って決めています。今シーズンは5位という目標を掲げてスタートしました。

金子昨シーズンは3位という目標を掲げていましたが、そこに届きませんでした(全日本大学女子駅伝、富士山女子駅伝ともに7位)。日本一を目指すチームとして3位を掲げたいという意見も多かったんですが、目標が一人歩きして、それが夢のようになって遠のいてしまうのであれば、しっかり目指せるところを達成していこうということで、5位という目標に。12月30日の富士山女子駅伝でも目標を達成したいですし、もちろんその先に日本一も目指していきたいと思っています!

富士山女子駅伝、楽しみにしています。本日はありがとうございました!

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